常念山脈(長野) 前常念岳(2661.9m)、常念岳(2857m) 2024年9月7日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  1:35 三股駐車場−−1:51 三股−−3:31 2170m肩−−4:40 前常念岳−−5:17 常念岳 6:15−−6:43 前常念岳−−7:22 2170m肩−−8:12 水浴び 8:17−−8:18 三股−−8:28 三股駐車場

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2024年9月7日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股に第一駐車場ありだが週末は満車になることが多く、手前の第二駐車場を利用することになる。今年は一ノ沢林道がゲートで通行止めのため例年と比較にならないほど激混み状態だった
登山道の有無あり
籔の有無基本的には無しだが標高が低い樹林帯の一部では笹が足元を濡らす箇所あり
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらの山頂とも晴れれば文句なしの大展望
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コメント三ヶ月ぶりに常念岳へ。今年はお盆前に一ノ沢林道が崩壊してゲートが閉じられ一ノ沢ルートはマイカー利用不可となったため、常念岳登山は三股ルートがメインとなった。このため三股駐車場は激混みで第一、第二駐車場はもちろん「まゆみ池」駐車場付近も路側まで車でいっぱいだった。登山道も大賑わい。9月に入ったのに気温が高くて山頂でも気温は+10℃以上あり、真夏と同じ服装のままだった


常念岳から見た日の出直後の蝶ヶ岳。土曜早朝にも関わらず多くのテントと登山者の姿が見える


見かけた花と開花状況

花の種類

場所

開花状況

ゴマナ 林道 数株しか見かけなかったが時期的には終わりに近いのでは
ゲンノショウコ 林道 数が少ないので開花状況は不明
ツリフネソウ 林道 ほぼ終わり
ミヤマアキノキリンソウ 三股〜2170m肩 稜線では完全に終わりで2170m肩にかけての登りでも僅かに咲き残りがあるのみ
トウヤクリンドウ 山頂付近 ほぼ終わり
イワギキョウ 山頂付近 終わりに近い
この他にセリ科、タデ科、ユキノシタ科の花が複数種類咲いていたが、私の知識では種類が判別不能でここに記載していない


三股第一駐車場 林道終点の登山指導所。帰りも無人だった
三股分岐 森林限界の梯子
夜明け直前の安曇野/松本市街地の夜景 前常念岳避難小屋
前常念岳 前常念岳の稜線から見た常念岳
常念岳山頂 日の出
常念岳から見た南東〜南西の展望
常念岳から見た穂高〜槍〜表銀座方面の展望。裏義山、立山劔、後立山は雲がかかって見えなかった
常念岳から見た南アルプス
常念岳から見た中央アルプスと鉢盛山 常念岳から見た木曾御嶽
常念岳から見た乗鞍岳、霞沢岳 常念岳から見た蝶ヶ岳
常念岳から見た北穂高岳 常念岳から見た槍ヶ岳。山頂に数人いる
常念岳から見た硫黄尾根硫黄岳 常念岳から見た大天井岳
常念岳から見た燕岳 常念岳から見た八ヶ岳
常念岳から見た富士山 山頂のイワギキョウ
前常念岳へ続く稜線 下山開始。常念小屋から続々と登ってくる
北の展望。天気は良いが遠くの山には雲がかかっている 蓮華岳と爺ヶ岳は雲から出たが、それ以北はまだ雲の中
常念小屋とテント場 ウラシマツツジは紅葉し始め
前常念岳へと下っていく シラタマノキの実
ナナカマド ミヤマアキノキリンソウの綿毛
常念小屋への巻道 巻道入口の看板。昔はそんなに悪くなかったと思うが
前常念岳 避難小屋
避難小屋から見た蝶槍 花崗岩地帯を急降下。暑い!
クロマメノキの実。たくさん生っていた 森林限界境界の梯子
ゴゼンタチバナ(赤)とシラタマノキ(白)の実 2170m肩
唯一咲き残ったミヤマアキノキリンソウ 三股手前の沢で水浴び
林道終点。今回は車が1台も止まっていなかった ツリフネソウ
ゲンノショウコ ゴマナ
三股第一駐車場。区画以外にも駐車されて出るのに一苦労


 今週末は日本海に前線があって南下気味で雨になるかと思ったら、直前の予報では土曜日はOKで日曜日に雨の予報に変わった。前線に向かって暖かく湿った風が入るので気温は高めでもう9月に入ったのに標高3000mでも最低気温が+11℃。昔ならこの時期は初霜や初氷だったのが懐かしい。おかげで防寒装備は不要で荷物が軽量化できるのは有り難い。前線に近い北ほど天気が悪いと予想されるため、今回は久しぶりに北ア南部の常念岳に出かけることにした。山頂ではガスられるかもしれないがトレーニングと割り切ろう。

 今年はお盆前に主要な常念岳登山コースである一ノ沢登山口に繋がる林道が駐車場の約500m手前で大雨で崩壊し、登山口から6km近く手前のゲートが閉じられてしまった。林道を歩くのは問題ないがゲートから登山口まで1時間半くらいかかるだろう。タクシーのみ崩壊現場手前まで入ることができるので縦走組はこのルートを使えるが、マイカー組は一ノ沢ルートは事実上使えなくなった。そのために三股ルートに登山者が集中することが予想され、駐車場の確保が例年以上に難しくなっているだろう。でもこちらは地元有利で遠方からやってくる人が到着する前に駐車場の確保が可能だ(遠方からやってくる人、ごめんなさい)。

 通常の週末の早い夜ならげーちに最も近い第一駐車場のみに車があることが多いが、今回はゲートからかなり遠い「まゆみ池駐車場」から車が登場。第二駐車場上部の林道脇の比較的広い駐車スペースは1台のスペースが空くだけという初めての事態。第二駐車場は一段下がった場所なので樹林で見えず、どの程度車で埋まっているのか分からなかった。第一駐車場は満車に近いかと思ったら7割程度の入りだったが、おそらく今日下山した人の車が消えた分が空いたのだろう。それでも通常の週末よりは確実に車が多かった。ゲートに近い位置を確保するが、ここは道幅が狭く隣の区画に先客がいる場合は軽自動車でもバックで入らないと区画に入れないほど。ミニバンは利用不可だろう。車止めの先のスペースにはテントが2張。バイクが止まっていたのでその主かも。頭上は満天の星空で雨の心配はなさそうだ。

 予報では気温が高く日中は暑さで苦労しそうであり、山頂到着は日の出の時刻として早々に下山することに。私の足では常念岳なら登りに4時間であり、出発は午前1時半として山頂到着は午前5時半とした。日の出直後に山頂到着予定であり、山頂に1時間ほど滞在して午前6時半に下山開始すれば三股到着は午前8時半ちょっと過ぎで、気温が上がる前に下山できるだろう。

 三股の気温は思ったよりも涼しくて車の中でも快適に眠れた。夜中に上がってくる車が何台もいたが、駐車箇所はゲート近くで他に車が入ってこないので安眠できた。午前1時に起床して朝飯を食って予定通り1時半に出発。出発時は先週よりも涼しくて快適だ。林道を歩いているとトレランスタイルの2人の若者に早々に追い越された。足の運びのスピードは私の1.5倍くらいあったのであっという間だった。おそらく常念岳〜蝶ヶ岳周回だろうが、今日は暑いのできついだろうなぁ。

 林道終点には珍しく蝶ヶ岳ヒュッテ関係者の車が皆無だった。ここで塩ビパイプから流れる水を250ccほど給水。涼しい夜中に歩くのでこれだけあれば足りるだろう。先行の2人組は私と同じく常念岳方面へ上がっていったが、登りにかかってもスピード差があるので光は徐々に見えなくなって真っ暗になってしまった。これでは追いつくことはなさそうだ。こちらはいつものペースで淡々と上がっていく。いつもならこの時間帯は他の登山者に会うことは滅多にないが、今回は標高2000mくらいの位置でこれまた若い2人組に追い越された。前常念の登りで追い越されたのは初めて。この2人はおしゃべりがかなり賑やかで熊鈴よりも効果的に思えた。この2人は林道で追い越された2人よりはスピードが遅いようで、その光が視界から消えることはなかった。

 2170m肩を越えて傾斜が緩み泥濘地帯を通過。でも梅雨の時期をかなり過ぎているのでマシになっていた。再び傾斜が増してシラビソの尾根を上がり、アルミ梯子を登ると森林限界突破。まだ暗い時刻で安曇野、松本市街地の明かりが輝いていた。西の高い位置に見える光は北穂高小屋だろう。もう少し高度が上がると穂高岳山荘の光も見えるようになった。

 森林限界を越えて花崗岩地帯に入ると視界が開けて先行する2人組×2組の位置が判明。近い方の光は数100mくらいの距離で遠い方は500m程度で、林道で追い越された2人は思ったよりは離れていなかった。そして巨岩地帯を縫うように上がる地帯に入ると先行の4人の速度が明らかに低下して徐々に接近してきた。この地帯はルートが分かりにくいことと岩に不慣れだったのかもしれない。4人ともルートを外していたし、私も一部でルートを外して尾根直登してしまった。ここでは4人の他にもう一人先行者がいたことが発覚。お疲れ気味で小休止中で、その後はすぐに光は見えなくなってしまった。

 前常念岳直下の避難小屋手前で後から追い越された2人組に追いついて追い越したが、どうやら岩場に不慣れな様子だった。林道で追い越された2人組は100mくらいまで距離が縮まっていたが、前常念岳の先で追い越した。この頃には明るくなり始めてライトがギリギリ必要かどうかくらいになっていたが、東の空は背の高い雲海で覆われて日の出は遅れそうだ。常念岳山頂が見えるようになると、既に山頂を越えて蝶ヶ岳方面へと下っている光を発見。日の出を待たずに常念岳を下るのは珍しい。前常念岳から山頂までの稜線にはもう登山者の光は無く、私が先頭になったようだ。

 常念小屋への巻道入口には残雪期ではないにも関わらずロープが張られていた。ただし通行止めではないようで、出ていた看板にはこのコースは上級者ルートで時間短縮にはならない。下り方向は危険なため使うなら常念小屋から登る方向にするようにと書かれていた。この巻道を歩いたのは30年近く前だったと思うが、当時は特に危険な個所は無かったように思う。

 稜線上で完全に明るくなってライト消灯。幸いにしてハイマツは乾いているので衣類が濡れることはない。このルートで心配なのはこれであったが今回は大丈夫だった。

 常念小屋からの縦走路に合流すると既に山頂に複数の姿が見えていて、まだ小屋から登ってくる人も見えている。一ノ沢林道のゲートが閉まってマイカー族が敬遠しているはずだが、この人数を見る限りは常念小屋の宿泊者が減っているようには見えなかった。

 登り切って常念岳山頂に到着。先客は10人弱で日の出の時刻としては多めの人数。予定では日の出後に山頂到着だったが、予定よりも若干早めに到着できたことと背の高い雲海で日の出が遅れたために山頂到着後に日の出となった。予報通り気温は高くほぼ無風だったので防寒装備はゴアの上下だけで十分だった。以前ならこの時期は初霜、初氷が来てもおかしくなかったのだが、未だに最低気温は標高3000mでも+10℃以上の異常高温だ。これだけ気温が高いと今年の紅葉の鮮やかさは期待できないだろう(去年はだめだった)。

残念ながら浅間山、志賀高原の山々や頚城山脈でさえも雲に沈んで見えないので、奥日光や尾瀬の山々は見ることはできなかった。八ヶ岳以南の標高2500m以上の山は雲海から顔を出していて、南アルプスは光岳がかろうじて見えていた。中央アルプスや木曾御嶽は島のように雲海に浮かんでいて、中央アルプスに重なって見えている鉢盛山山頂の反射板が朝日を反射して輝いていた。槍穂はすっきり見えているが大キレットは飛騨側から滝雲が流れ込んでいた。いつもは良く見える裏銀座方面や立山、剱岳、後立山の山々は上空は晴れているのに稜線には雲がかかって見えず、ここから見えている北端の山は餓鬼岳であった。

 蝶ヶ岳ヒュッテ付近をデジカメの最大ズームで撮影したら土曜朝でもテント場は大賑わいで、山頂や小屋北側の小ピークには日の出を眺める人がたくさん写っていた。土曜朝でここまで人が多いのは珍しい。槍の山頂には数人の姿が写っていた。

 この時期はもう夏の花は完全に終わっていて、ただでさえ花が少ない常念岳で見られたのは僅かなトウヤクリンドウと山頂付近のイワギキョウだけであった。常念小屋付近にはまだミヤママコナやミヤマコゴメグサが咲き残っているかもしれない。

 山頂では1時間の休憩。今回は三股から約3時間40分で上がってきて私の通常ペースより20分も速かったため少し疲れ気味だった。山頂は常念小屋からの往復組が大半で蝶ヶ岳方面への縦走組は少数派だった。私が追い越した計4人は蝶ヶ岳方面へと向かっていた。小屋から上がってくる人は私が下山を開始する頃にはさらに増えていた。

 前常念岳と下っていくと登りの登山者とポツリポツリとすれ違うようになり、前常念岳から急降下する区間ですれ違う人が多くなる。しかし朝から気温が高く日差しも強いので登りは大汗をかかされるだろう。下りの私でさえ半袖半ズボンに麦藁帽子、首に巻いた濡れタオルに手に持った扇で扇ぎながら下っても結構な汗をかかされた。

このルートは森林限界以上でクロマメノキの木が多くたくさんの実が生っていたので少々いただく。クロマメノキの実は水分が多く甘みが強いので美味い。

 巨岩を越えてアルミ梯子を下れば樹林帯に突入して日影に入るので涼しくなって大助かり。もう麦藁帽子の出番は無いのでナップザックの背中に括り付ける。一ノ沢林道はマイカーが使えないので三股から登ってくる登山者がいつもよりもずっと多かったが、一ノ沢コースで通常の週末にすれ違う人数よりは少なかった。

 三股分岐手前の沢で水浴び。水量はかなり減っていて部分的には伏流化していたが、まだ水が流れる場所もあった。汗は登りではなく下りでかかされたが、まだ朝8時半前で本格的に気温が上がる前でもシャツがビショビショになるほどだった。9月に入ってこの暑さは異常だ。

 まだ早い時刻なので林道歩きでも登りの登山者とすれ違い、三股駐車場に到着してもこれから出発する登山者の姿がそれなりに見られた。第一駐車場は公式の駐車区画以外でも車が置けるスペースには片っ端から駐車されていて、車が通り抜けるスペースが狭くて軽自動車でも駐車中の車に擦らないよう注意して走行する必要があった。駐車場を出ると林道脇の僅かなスペースにも駐車されていて、駐車禁止を示すユニコーンが置かれたりロープが張られた場所でもお構いなしに駐車していた。第二駐車場付近の路側にもたくさんの車があり、さらに下った林道路側のあちこにも。それどころか「まゆみ池駐車場」付近でさえもたくさんの車が駐車していた。ここまで車が多いのは初めて見たが、一ノ沢林道通行止めの影響に間違いないだろう。

 

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